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冠木富美の歌

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​春雷はふたたびとどろくことなくて夜ふけの雨の土に沁む音
 

息づまる想なりけりわがいのち永久に捧ぐる君と在りつつ
 

黒きもの降る錯覚に仰ぎたる青空たかく雁の群れゆく
 

悲しきまで人を信ずる夫のためわれは猜疑の罪重ねゆく
 

教育屋にならず遂に終はりしと自負する日なりさはやかにして
 

うす皮をむきたる蕗のつやめきに鮮しき日の示唆が匂へり

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歌集『白い炎』(処女歌集・昭和四十三年一月
発行)からの抜粋。松井如流氏に序を、渡辺朝
次氏に跋を頂く。歌詠む人になってからの約三
十年の歌をまとめた歌集。

<担当 小笠原>

 





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