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短歌の会 覇王樹
大正8 (1919) 年橋田東聲創刊
100年を越える清新自由な社風
有田秀子の歌
赤あかと哀しきまでに燃えたてど誰あれも居ない火星の夕やけ
火を抱かぬ夏のゐろりに白々と灰がひそむる情念もある
群立てる土手の彼岸花なぎ倒し駈けてゆきたし亡夫の傍ら
寺苑の雨に樹々はひとしく濡れながら等しからざる命運思ふ
明け渡す城の如くに掃除すまし十日の旅のロンドンへ発つ
居ながらの稲佐の山の夕あかねひとり暮しの六時がさみし
✻
元運営委員
長崎在住
令和五年九月逝去
『檜林』(昭和五十三年刊)に次ぐ
『青き未練」(平成十三年刊)より
担当 井手
(覇王樹 令和7年7月号より)
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